Sちゃんの教え

バランスからだ塾YASUTAです。
おはようございます。YASUTA妻です。令和になった5月が既に終わり6月を迎えましたね。本当にあっという間に時間が過ぎます。

 5月、バランスからだ塾では「跳ぶ」や「棒に立つ」などに取り組んだのですが、毎月最終週に取り組む「壁のぼり」のひとこまをどうしてもお伝えさせて下さい。

壁のぼりに挑戦中のSちゃん。(バランスからだ塾では「ボルダリング」ではなく「壁のぼり」と呼びます。競技としてのスポーツクライミングをやっているわけではないので。ちなみに私も主人もスポーツクライミングの経験は皆無です。)年長さんのSちゃんがなかなか一歩を踏み出せないのには理由があります。それは今回「青を使わずにゴールに行く」ということに挑戦しているからです。

 Sちゃんは、おっちゃんが扮する鬼や、高い所がちょっと、いやかなり苦手。それでも少し表情を堅めながらも、時には目をウルウルさせながらも、「もうやらない」と途中で止めることは絶対になく、いつもひたむきに取り組んでくれる女の子です。今回のルートで『青を使わない』とういうのは、2・3年生でも難しい挑戦です。スタートの時点でなかなか一歩が出なかったので、これはやっぱり難しかったかな?と思いながら見守りました。だけど、不思議と「もう止めにしようか?」と一声かけるとか、「次の一歩のヒントをだそうかな」という思いが出てこないほど(主人の声はうるさいですが・・・)、静かな闘志のようなものをSちゃんから感じていました。

 「一歩踏み出した!」と思うと同時に「この次どうする!?」みたないな溢れるワクワク感いっぱいで見守っていると、少し進みづらさを感じ、またスタートまで戻り、再度違う一歩を踏み出していくSちゃんに、一人の人間として尊敬し、感動している自分がいました。

 よく、「こういう成功体験て大切ですよね」とお声を頂くことがあります。ただ、今回のSちゃんが私に「成功体験」「失敗体験」というくくりでは語れないことがあるとはっきり教えてくれました。できたとかできないではなく、これは単に彼女がその場に与えられたことを、彼女が考えて彼女が出来ることをやった、ただそれだけなんだなと感じました。成功したから成長していくというわけではなく、成功も失敗も経験の一つでしかなく、そのどちらもただそれだけだということ。それを、やり終えたSちゃんの何とも落ち着いた表情が教えてくれました。

 以前に韓氏意拳の光岡導師が、「今って言った今がもう今じゃないでしょ?」と問いかけて下さったことがあります。この問いは、私の重たい上着を一枚脱がせてくれるような問いでした。また、ある時バランストレーナーの小関先生が「バランスって本当はとれてるんですよね」とポツリと言われたことがあります。このポツリが、今までにない自分の感じがハッと湧き出てきてビックリしたことがあります。そんなことがふと思い出されて、あ~バランスからだ塾ってそういう場でありたいんだと思ったら、何だかスーっと落ち着くところに着地したような気がしています。ざわつきが鎮まった今、子供達とこの場でまた今まで感じたことのない自分に出会えたらいいな~。

 

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