バスの揺れ方で人生の意味が分かった

3月に他界した父の四十九日法要と納骨のために、今月も帰省しました。
今、福島から東京へ向かうバスの車中で書いてます。
今回は往復ともにオールバスの旅を選びました🚌
バスの旅なんて、若者の特権かと思いきや、なんのなんの僕より年上の方の多いこと‼️
夜行バス、長距離バスならではの楽しみをそれぞれに感じてるんだろう。

さて、前回のブログでも書いたように、お導師様は葬儀屋さんの紹介でお世話になった、栃木県の龍慧寺さん。今回もわざわざ実家に来て頂き、四十九日法要と納骨をお願いしました。
龍慧寺さんが真言宗のお寺だったこともあり、父が他界してから僕の中で何度目かの仏教・密教ブームの波が来てます。
日頃の生活から少し離れると、ゆっくり本を読むことが出来るので、今回の帰省で、仏教関連の本を3冊ほど読めました。
その中の一冊『自分とかないから。教養としての東洋哲学』しんめいP著 サンクチュアリ出版

この本は以前、本屋さんでちょっとだけ立ち読みして「オモロイなー」と思って即買いし、それをバランスからだ塾指導者の紗妃ちゃんにプレゼントしてしまい、実はちゃんと読んでなかった本。


著者のしんめいPさんは、東大出身で、超イケイケだったのに実は仕事が出来ないことがバレて無職に。田舎で教育事業をするも仕事が出来ないことがバレて無職に。一発逆転を狙って芸人になり、R-1グランプリに出るも一回戦敗退。芸人引退。無職。離婚。
その後、布団の中で引きこもっていた時に書いたnoteの記事が話題になり、本になったというシロモノ。
行きのバスで読んだ中村元の本とのギャップもあり、このはみ出し感というか、学問ではない仏教観、東洋哲学観がやけにハマる。
東大法学部出身でIT企業に鳴物入りで入社するも、出来ない自分に苛まれるという赤裸々な告白から、仏教、東洋哲学の主な7人をとりあげ、それぞれがどのように役に立ったかという内容。
僕にはしんめいPさんのようなそんな輝かしい過去はないけど、何故か頑張れない自分とか、急に襲われる虚無感とか、思っていたより自分が出来ない人間だったとか、勝手に超共感。
僕は事業を立ち上げてから今年創業20周年ですが、開業当初の借入金が、20年経って10倍になってます。貯金が増えたんじゃなく、借入金が10倍です。簡単に言えば20年頑張って働いたら借金が10倍になっていたっていう話。では、事業が10倍になったかと言えば、全くもってそんなことはない。
(バスが東京の王子駅に着いたので、続きは東京駅から広島駅行きのバスが出てからに)
こんな僕は一般的には、とても仕事が出来る人ではない。でも、喜んで下さる方々がいらっしゃる。でもでも、事業はおろか、家計だってずっと綱渡り。こんな状況のままでいいのか?いや、良くないに決まってる。
しんめいPさんに言わせれば、「釈迦は『自分とかないから』って言うし、老子は『ありのまま』って言ってるし、龍樹に至っては『全て空』って言ってる」


資本主義社会の闇に飲まれるのか?
それとも真理という光を求めるのか?
そこに、日本きっての大天才、真言宗の開祖、空海(しんめいPさんに言わせれば仏教、東洋哲学界には珍しい“陽キャ”らしい)は「欲を求めてもオッケー👌でも、それだけじゃ足りなくない?欲を超えて大欲へ。そして我から大我まで行っちゃわないと‼️」って言っていると、しんめいPさんはとらえる。
マジでー⁉️そういうことなん⁉️
僕は全然足りてないってことじゃん‼️
変に資本主義がどうとか言ってただけで、逆に資本主義に縛られまくりだったんかい‼️
「ユーもっといっちゃいなよ」(今はこの表現はマズイのか?)
それには“なりきる”ことが大切なんだと、真言宗は言っているとはしんめいPさんの解釈。
身・口・意の三密は“なりきる”ための手段だと。
なるほどねぇー。
そんなとらえ方してなかったなー。
空海さんは溜池を作ったり、温泉を掘ったり、全国回って日本列島改造計画を実行された方。
ただ単に山にこもって修行だけしていたわけではなく、あの世の幸せを願っていたわけでもなく、この世の人々の暮らしを良くするために体を張った方。
雲を掴むような話が多い、仏教・東洋哲学の中ではかなり珍しいリアリスト。
これよ、これ‼️
現実世界を無とか空とかととらえることも出来るけど、じゃあどうすれば良いかって、「もうすでにあんたは仏じゃ(即身成仏)。なにもあれこれ悩むことはない。あとは、この世の人々のためにやれることをやるのみよ」って言ってるー‼️

今までも、空海さんは尊敬する人の1人だったけど、急に身近な師匠になったー‼️
しんめいPさん、ありがとう🙏
これもオヤジの死が引き合わせてくれたご縁か。
第4章に出てくる「言葉なんていらねぇー」の達磨さんみたいに、僕にはほとんど何も言わなかったオヤジ。
今回もそういうことだったのか?
SPITZの歌じゃないけど、「バスの揺れ方で人生の意味が分かった」本日5月12日月曜日(奇しくもオヤジの89歳の誕生日)でした。

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