2025 新年帰省の旅 福島編

今回、十数年ぶりに正月に故郷に帰りました。
というのも、昭和11年生まれの父が12月から急に体力がなくなり、ベッドの上で過ごす時間が長くなったこともあり、ひょっとして一緒に過ごせる最後の正月になるかもしれないという思いがありました。

父は僕が高校1年生の時から単身赴任だったし、僕は高校卒業してから上京したので一緒に過ごしたのはたったの16年くらい。そのうち誰でもそうだけど、初めの数年は記憶にないので、10数年しか一緒に過ごした記憶がないことになります。
この歳になって、父親がこのような状況になって、少しでも父親と過ごす時間が欲しいなと思い立って今回の帰省を決めました。

実家に着くと、下の姉とその息子(33歳!)が出迎えてくれました。甥とは甥の結婚式以来の再会だったので、7年ぶり? 昨日、1人で東京から泊まりに来て今から東京へ戻るというので、ほんの小一時間しか一緒にいられなかったけど、僕なんかよりよっぽどしっかりしていた甥の姿を見て、少しだけ男の子を持つ父親の気分を味わいました。

父親は寝ぼけていたのか、近眼のせいで見えてなかったのか、今回過ごした数日の間に、父親の口からは僕の名前は出て来ませんでした。でも、それで全く感傷的なものを覚えることはありませんでした。それよりも妻が持たせてくれた日本酒をほんのちょっとですが、一緒に呑んでくれたことの嬉しさが立ち上がってきました。

帰る前に母が「ほら、握手して」と促されたところ、布団からだいぶ細くなった右手を出し、僕の手を思っていたよりもかなり強めに握り返してくれました。その感触は、その輪郭も質感もハッキリと僕の右手に刻まれました。

初日1月4日の夜は、数年前から僕が帰省するたびに一席設けてくれる友人(本人は体調不良で不参加😅)が、今回も企画してくれ男女12名が集まってくれました!8時間もの間、途切れない昔話やら近況報告やら、どこにでもある同級生との再会なのでしょうが、それがなんだかとても楽しく、自分がおでこが広がり、髭に白いものが混じっていることは忘れて、同じ様に少し見た目が変わった、かつて同じ学舎で過ごした皆と呑み明かしました。

翌日5日はお隣の郡山市での整体施術会とヒモトレ&バランスからだ塾ワークショップ。

6日はこのところ、実家に帰るたびに行く「サウナ&スパ グリーン」へ。この湯屋がある翠ケ丘公園は幼い僕が遊び、探検をし、自主トレをしていた大好きな公園。愛宕山という小さな山全体が公園になっており、かつて須賀川城があったという山。その頂上には当時の土塁などが残り、北には安達太良山、西には奥羽山脈、東には宇津峰山・阿武隈山地が見え、故郷の風景の一つ。

それからは徒歩で廣福山 長禄寺へ安田家のお墓参り。小雨がパラついていたけど、氏神様の鎌足神社、かつて柔道の稽古に通っていた須賀川市武道館、須賀川市の総鎮守お諏訪様こと神炊館神社(「おたきやじんじゃ」と読むことや、社号標の文字が、かの山岡鉄舟による揮毫だったってことを初めて知りました!)などを巡ってきました。

須賀川市は東京五輪の男子マラソンで3位に入った円谷幸吉や、ウルトラマン、ゴジラを生んだ円谷プロの創設者、円谷英二の故郷でもあり、松尾芭蕉も七日間も滞在したという宿場町。8月には県内最大の花火大会、釈迦堂川花火大会が、11月には日本三大火祭りの「松明あかし」(このブログの1回目に紹介してます!)が開催されたり、50,000人程度の田舎町にしてはそれなりの見所がある町だということは知っていましたが、初めて知ったことも結構あり、自分の故郷を知らないままに出ていったんだなぁと、故郷を再発見した小さな喜びと、同じくらいの申し訳なさを抱きつつ、家路につきました。

その夜は、高校時代の同級生で運送会社を経営している佐藤大輔君と4日の夜に中学時代の友人で集まったお店「やま田」(その同級生のうちの1人が旦那さんと切り盛りしています!)へ。そしたらなんと、その同級生女将と大ちゃんはお子さん繋がりで顔見知り!小さな町ではあるあるなのかもしれないけど、なんだか嬉しい気分。

大ちゃんには広島での芋煮会にゲストで来てもらったり、かつて郡山で僕の講習や講演を企画してくれたりと、高校時代の部活は違っていたけど、大人になって最も会っている仲間。だから、話す内容も思い出話ではなく、仕事のこととか家族のこと。もう20年も社長をやっているなんてとても思えない腰の低さと人柄。仕事帰りのお疲れのところ、わざわざ時間を作ってくれただけでもありがたいのに、送り迎えまでしてもらっちゃいました。

翌朝は東京へ。すっかり味付けが薄くなった母親の味噌汁と、スルメがなくて人参だけの福島の郷土料理「いかにんじん」を体に染み込ませ、故郷を後にしました。

<東京編へ続く>

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